いしかわ ゆき著『書く習慣』:まずは楽しく書くことを。

ダラダラ過ごしがちな自分を変えたい。毎日をもっと充実させたい。そう思ってブログを始めたはいいけれど。

ぶっちゃけ自分はブログに馴染みがありません。自分の日常を不特定多数に向けて綴ったことはなく、チェックしているブロガーもまったくいません。

じゃあ勉強しなくては!と本屋に出かけて、ブログ関連の書籍を見てみれば。思った以上に多岐にわたっていて、途方に暮れてしまいました。

文章の書き方、効果的な構成、ページデザイン。最近知ったばかりの【SEO施策】や【アフィリエイト】など、本には気になる情報がたくさん詰まっている。

何冊かに目を通して頭がクラクラし始めた頃、ふと我に返りました。

(これらを読んで、知識を得たとして。自分がやりたいことって上手い文章を書くことや広告収入で稼ぐことなんだっけ?)

副業になったらいいな、という気持ちは確かにあります。でもそれはだいぶ先の話です。まずブログを続けられるのかどうかすら、やってみないと分からないのに。

(ノウハウを知ったことでがんじがらめになって、書けなくなる自分が見える……)

うん、やめよう……。リストアップしかけた本たちは、その場で脳内リセットしました。

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ただ以前から気になっていた本が一冊あって、それはこの機会に必ず読もうと決めていました。

いしかわゆき著『書く習慣』。今の自分にぴったりなタイトルです。

クロスメディア・パブリッシング(インプレス)/2021年発行/単行本:288ページ/本体1480円

内容はもっぱら《執筆のハードルを下げる》ことに主眼を置いている───というと、なんだか聞こえが悪い気もしますが。

新しいことを始めるときは、まずは気軽に気楽に楽しむことが大切で。フットワークが軽いと自然と習慣化し、後から技術もついてくるというプロセスは、なんにでも当てはまると思います。

〝文法は大事。でも「書きたい」気持ちはもっと大事〟

〝「自分はアホだ!」「忘れてしまう!」と思えば、なんでもアウトプットできる〟

〝「意味がない」文章に意味づけするのはあなたじゃない〟

〝その瞬間のことは、その瞬間の自分しか書けない〟

パワーワードに溢れていて、読み終わる頃にはページが付箋だらけになりました。〝心に引っかかる箇所だけに印をつけよう〟って書いてあったのにな(-ㅅ-)

〝自分語りになってしまいそうで嫌だ〟という部分には、心当たりがありすぎて胸に刺さります。雑談や話し方のハウツーには「聞き手に徹しましょう」「相手に気持ちよく話をさせてあげましょう」って書いてあるのに……この矛盾はなんだろう?恥ずかしいから?相手に語らせることでいい気になりたい?

自分だって本当は、自分語りがしたいくせにね。

(ブログをやる意味はあるのか?誰にも読まれないし面白くないんじゃないか?)そんなネガティブな思考に陥りがちな、自分のような人間の背中を優しく押してくれる本でした。書きたい気持ちを見失いそうになったとき、何度でも開きたい。そんな大切な一冊になりそうです(*´꒳`*)